その時、目に付いた。



やけにかっこいい男の人が。



年は、あたしよりちょっと上。奏くらいかな。



こんなイケメンさん、見たことがありません・・・。



「おばさん、あの人誰・・・?」

「何か不思議少年なんだよね~。未成年なことバレバレなのに『訳があってここで働かないといけないんです! お願いします!』って頭下げられちゃってさ~。仕方なく置いてるの。でも、仕事が結構出来るのよね~」

「そうなんですか・・・。お名前は・・・」

「やだっ。神奈ちゃん一目惚れ!?」

「そんなんじゃないですって・・・」



からかわれながら教えてもらった名前は、“菅原(スガワラ) マナ”。



マナさん・・・か。



「呼んだげよっか」

「えっ?」

「マーナく~ん」



呼ばれて振りむいたマナさん。



「なんですか、ルミさん」

「この子、この店の常連で知り合い」

「えっ、未成年・・・ですよね?」

「この子の家族が常連なの」

「そうなんですか」

「このコ、神奈ちゃんって言うんだけどマナくんに興味があるんだって」



『は?』という顔であたしを見るマナさんに顔が熱くなってしまった。



「可愛いね、君」

「あ、どうも・・・。マナさんこそ、カッコイイです」

「ははっ」



笑ったマナさん。



ヤバイ・・・。



あたし、恋に落ちたかもしれません。