あたし達はデパートに行くのをやめて、あたしの家に来ることになった。



あたしの家が近くにあるから。



「ただいま」

「おじゃまします・・・」



そう言って中に入ったら、大分おなかが大きくなったママと、恵向さん(なんか“パパ”と呼べない・・・)。



梓織梨は「え?」って顔をしてる。



「ママの再婚相手の恵向さん。10月くらいに籍いれたんだけど、結婚式はやんなかったの」

「じゃあ久留巳の名字ってどうなんの・・・」

「恵向さんは杉本家に婿入りしたの」



あたしがそう言ったら恵向さんは少し恥ずかしそうにした。



「そうなんだ」と言った梓織梨は恵向さんに頭を下げた。



「久留巳の親友の佐倉 梓織梨です。よろしくお願いします」

「あ、はい、こちらこそ・・・」



2人でお辞儀をしている様子を、怒ったように笑って見てるママ・・・。



娘の友だちにも妬いてます。



そうとう好きなんだね・・・。



それから梓織梨の手を引っぱってあたしの部屋に連れ込んだ。



「お茶とお菓子は自動的に出ないから、ちょっと取ってくるね。そこにあるマンガ読んでていいよ」



そう言って部屋を出た。



それからあたしは、使いかけの紅茶のティーパックとお湯、その辺にあった和菓子を持って自分の部屋に行った。