「梓織梨、落ち着いた?」
あたし達は、近くのカフェに入った。
「うん、ありがと・・・」
梓織梨に水を渡した。
梓織梨はそれを飲み干すと、あたしにゆっくりと話をしてくれた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
【梓織梨】
あたしは、塾の先生が好きだった。
別に付き合ってたわけじゃない。
ただの片想いだった。でも、心の中では先生の事を「マサキ」と呼んでた。
先生の名前はマサキだったから。名字も、漢字も知らない。ただ知っているのは「マサキ」という名前だけ。
あたしは、別に先生と付き合いたいと思ってたわけじゃない。
先生の声を聞くだけでよかった。顔を見るだけでよかった。
だけど――
先生は二ヶ月前、事故で亡くなった。
それからあたしは、恋をするのが怖くなったの――。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
二ヶ月前って、梓織梨が一ヶ月間も学校を無断欠席した時・・・。
あの時は、どうして休んだのか聞いても絶対答えようとしなかったっけ。
「さっきはね、あたしが通ってた塾があって、そこの教室からたまたま塾の先生が見えて・・・。本当ならあそこにマサキがいたんだろうな、って思ったの。ごめん、心配かけて」
「ううん・・・」
何か・・・。
切ない。
あたしは、そんな事も知らずに、大河と梓織梨をくっつけようとした。
梓織梨、ごめんね。
あたし達は、近くのカフェに入った。
「うん、ありがと・・・」
梓織梨に水を渡した。
梓織梨はそれを飲み干すと、あたしにゆっくりと話をしてくれた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
【梓織梨】
あたしは、塾の先生が好きだった。
別に付き合ってたわけじゃない。
ただの片想いだった。でも、心の中では先生の事を「マサキ」と呼んでた。
先生の名前はマサキだったから。名字も、漢字も知らない。ただ知っているのは「マサキ」という名前だけ。
あたしは、別に先生と付き合いたいと思ってたわけじゃない。
先生の声を聞くだけでよかった。顔を見るだけでよかった。
だけど――
先生は二ヶ月前、事故で亡くなった。
それからあたしは、恋をするのが怖くなったの――。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
二ヶ月前って、梓織梨が一ヶ月間も学校を無断欠席した時・・・。
あの時は、どうして休んだのか聞いても絶対答えようとしなかったっけ。
「さっきはね、あたしが通ってた塾があって、そこの教室からたまたま塾の先生が見えて・・・。本当ならあそこにマサキがいたんだろうな、って思ったの。ごめん、心配かけて」
「ううん・・・」
何か・・・。
切ない。
あたしは、そんな事も知らずに、大河と梓織梨をくっつけようとした。
梓織梨、ごめんね。



