―久留巳side―


何アイツ!



あたしとアイツの事、取り巻きにバラしやがった!



梓織梨には一応イキサツを話したけど、取り巻きにまでは話せない・・・。



マジ苦痛。



って、ダメダメ。



天下の久留巳様がこんな男に流されちゃ。



だから、あたしは涼しい顔で「そうだよ、神城くんが私の彼氏。あれ・・・前の彼氏と別れて神城くんと付き合ったって、言ってなかったっけ?」って言った。



まさに神業。



あたし、凄すぎない!?



そんな事を思っていたら、あたしにいつも言い寄る男子数人が眉間にしわを寄せて何か話していた。



耳を澄ますと「あいつ、マジウザいんだけど」とか「どうやって久留巳ちゃんの心奪ったんだよ」とか「どうせ汚い手使ったんだろ」とか「久留巳ちゃんがあんな男になびくはずねぇ」とかとかとか・・・。



うん、全部正解。



あんたら、あいつをぶっ殺してやって。



・・・なんて冗談だけど。



本気で、神城うぜぇ!!



あんなダサいカッコしやがって!



あたしの彼氏なんて100年・・・ううん、一生早いんだよ!



でも――



あの、普段からは考えられない俺様的態度はなんだったんだろう。