「俺の名前は
蓮条暁-レンジョウ アキラ-だ。」

「俺は
高咲奏-タカサキ ソウ-だよ。
奏って呼んでね?」

「分かった。
暁と奏。
ありがとう。」

そう俺達を
下の名前で…
それも
呼び捨てで呼んだ女。

奏は自分から
《奏》と、呼んでね。
と、言った。

あの
あんまり
人と関わりを
持ちたがらない奏が…。

この
たかが数分で
心を開き出してる奏。

スゴいぞ。

この女。

と、その前に…

「お前の名前は
何て言うんだ?」

「あたしは凛よ。」

凛か…

「名字は?」

そう聞いたら
一瞬
凛の体が震えた
用に見えた。

だが
凛は

「神崎よ。
神崎凛。」 

そう
笑顔で言った。

その笑顔は
さっき見た
儚く、脆い笑顔と違って
悲しそうな…
今にも
消えてしまいそうな
笑顔だった…。

そして
その笑顔は
人形の用に
感情のない
笑顔でもあった。