・暁side・
「おきたか?」

「大丈夫?」

そう
俺達が声を掛けたら
一瞬
驚いた顔を見せたが
すぐに
笑顔になった。

「え~。
もう大丈夫よ。
あなた達が
助けてくれたのよね?」

「あ~」

「それは
本当に
どうもありがとう。
あなた達のお陰で
助かったわ。
本当に
ありがとう。」

そう言って
女は笑った。

その笑顔が
あまりにも
綺麗で
一瞬
見惚れてしまった。

だが
その
綺麗な笑顔は
儚く脆い笑顔だった。

「別に
当たり前の事を
しただけだ。」

「そうだよ?
俺達は
当たり前の事を
しただけ。」

「フフ。
優しいのね。
あなた達って…
そう言えば
あなた達の
名前、何て言うの?」

は?

「お前…
俺達の事…知らないのか?」

「何を言ってるの?
初めてあったのだから
知るわけないじゃない。」

嘘だろ。

俺達の事を
知らない女何て
いるんだな…。