男は
少女に

「殺しに来た。」と、言った。

でも
少女は無だった。

その
言葉にたいして
反応もせず
じっと
男の目だけを見ていた。

そして
笑った。

男は驚いた。

何十人、と
殺して来て
いろんな人間を見てきたが
こんな人間初めてだった。

怯えもしない。

泣きもしない。

喚きもしない。

ただ
じっと目だけを
見てくる。

そして
笑顔だった。

だが
その少女の瞳に
光はなかった。

全部に
絶望し
諦めている用な目だった。

その目は
まるで
人形の用に
感情がない目だった。

男は思った。

この
少女を
殺してはいけないと。

そう
思った男は
少女に

「俺に着いて来い。
一緒に暮らそう。」

そう
言っていた。

そして
男は
少女を背中に乗せて
無駄にデカイ
屋敷を後にした。