「叶子、もっと息入れて」
「はい・・・」
私はトランペット吹いて6年になる。トランペットとの出会いは小学生の頃、最初は音出ないしトランペットが嫌いだった。でも練習をするにつれてトランペットへかける思いも大きくなった。
そして全てを教えてくれたのは山口先輩だった。
自分にはない全てを持っていて、優しく豊かな先輩の音がいつしか私の目標になっていた。
山口先輩の後を追って同じ中学の吹奏楽部に入部した。
トランペットパ-トの支えとなってくれていた山口先輩はもう部活から引退し受験勉強に励んでいる。心配はかけたくない。