僕は彼女に正直に話した。


「ありがとう。でも、俺、好きな人がいるんだ。片思いかもしれないんだけどね。
 だから――…ごめんなさい」


優しく言ったつもりだったんだけど、彼女の瞳から みるみる涙が溢れて落ちた。


「あわわわ。な、泣かないで!」


本当にあわわわ……


「ス、スミマセン!私ってば!
気にしないで下さい……スミマセン……」


その気持ちは痛い程分かるのに、


「いえ、こちらこそ……ごめんなさい……」


謝るしかない僕だった。