大丈夫、答えを急がなくていいんだ。

そんなの僕とミナさんらしくないしな。


僕は緊張する胸の高鳴りをおさえ、ゆっくりと歩き出した。


――…と


「あのタムラ先輩、スミマセン!」


校門を出たところで、突然、見掛けない顔の女の子に声を掛けられた。


「ハイ?」

誰だっけ?

「あ、あの私、1年の寺崎といいます。コレ、受け取って下さいっ」


見ればその子は震えながら、綺麗なピンク色の紙袋を、僕に向かって差し出していた。