僕がイソイソと帰り支度をしていると、リョーヘイが隣にやって来て、小さな声で

「うらやましいなぁ」

と僕を冷やかして来た。


「リョーヘイ……。じゃあ、俺、先行くわ」

「おぅっ!頑張って決めて来いよっ!」

「ヘイ。自分で決められたら、ホントに楽なんだけどな」


僕は右手を軽く挙げてリョーヘイに小さく呟くと、険しい顔をして教室を後にしたのだった。