“ 失礼なエナちゃん! ”


ミーナの口癖が聞こえた気がする。

私は何だか可笑しくて、一人でクスッと笑った。

不思議そうな顔をする杉田君。

そりゃそうだよね。

でも……

本当に、

「ありがとう」


私は行き場所を無くした私のチョコを、杉田君に託した。


そして、そんなチョコなのにも関わらず私にお礼を言って、相変わらず爽やかに去って行く杉田君を、不思議な気持ちで見送ったのだった。