折角ここまで来たのだからと、紅茶をオーダーして少し待ってみたけれど、マツオカさんが現れる気配は一向になくて。



 そうしている内に、見覚えのある面々、そう、マツオカさんのお友達がガヤガヤとお店に入って来た。


「あれ?マスター、今日マツオカは?」


マスターはそんなマツオカさんのお友達からの問い掛けに、


「マツオカ君ならお休みだよ。ほら、今日はバレンタインだからね!」


――…と、


意味深なウィンクで答えたのだった。