思いがけない出来事に何の実感も得られないままの私。


ふと隣を見ると、エナちゃんは私以上に元気に手を振っていました。


「エナちゃんてば!」

「タムラ君、いいじゃーん!こういう出会いって、本当にあるのね?何だかロマンチックねぇ」

「本当にそう思う?エナちゃん」

「思う思う!芦野高に知り合いが出来たワケだし、ミーナには頑張ってもらわないと!」

「えぇ、そこなの?何かプレッシャーなんですけど感覚」


 実は私たちの通う聖ミカエル学院は女子校だったので、男の子と話しをするのは、本当に久しぶりだったのでした。