すると、ここにも“バレンタイン”があった。
小さな本屋さんなのにも関わらず、手作りチョコのコーナーが設けられていて、そこには既に立ち読みしている女の子が1人いたのだ。
ドキドキドキドキ――
一冊取って、ページをめくる。
その本にはチョコの作り方は勿論、ラッピングの仕方からカードの書き方まで、事細かに写真付きで載せられていた。
本には不思議な魔法がある。
ページをめくるたび、何だか告白が本当に上手く行きそうな気がして、笑顔になれるのだ。
「これ、おいしそう」
私が初めて味わう、何か温かい気持ち。
「1冊買って帰ろう」
それは、神社でお守りを買うのに似ていた。


