ミーナの初恋

 

 私がこんなフワフワした気持ちで地下鉄に揺られていた時だ。

2つ目の駅で乗り込んで来た人の群れの中に、どこか見覚えのある男の子の顔が混ざっていた。


私の視線を強く感じたのだろうか?クルリとこちらに顔を向け、視線が合うと、

「あ、ミナさんのお友達の――…?」

その男の子は私を覚えていたようで、制服を見れば…

芦野高校の制服を着た……


「あ、あの時の!」


その男の子はあの日、タムラ君の告白を、遠くで見守っていた男の子だった。