本当のことを言うと、私にだって好きな人くらいはいる。
だけど今の状態じゃ、バレンタインなんて、夢のまた夢なんだ。
そして今日は一週間に一度の――
「あ、ミーナ。私、今日ピアノのレッスンの日だから、先に帰ってね?」
私にとって、とても大切な日。
「そうだった!今日は金曜日だね。分かった!エナちゃん、レッスン頑張ってね!」
ミーナにさえ言ってないけれど。
本当はモテなくてもいいんだ。
好きな人からモテさえすれば……
私の好きな人。
とても大人の男のヒト。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…