私は毎朝、同じ時間に到着する地下鉄に乗り込む。

前から3両目。

ミーナはそこで、毎朝私を待っている。


「エーナーちゃん!おはよっ!」

ミーナは、何故か毎朝テンションが高い。

「おはよっ。ミーナは朝から本当に元気ね」

「エヘヘ」

「いいなぁ、悩みとか無さそうで……」

「あっ!失礼なエナちゃん!」


そして、これが、ミーナの口癖。


「エナちゃーん、もしかして何か悩みがあるの?水臭いなぁ。相談に乗るのに」

地下鉄の窓ガラスに、ミーナの眩しい笑顔が写る。



――私って、何だか損してる気がする


なんていう悩みをミーナに話せる訳もなく。


「悩みなんてありませんよーだ!」


私は本当に可愛くナイ。