私は勇気を出して、私から1mくらい離れて不自然に立っているタムラ君に、話し掛けてみました。
「あの……、今日晴れてよかったですね?」
「うん、そうですね!」
「水族館は、好きなんですか?」
「うん、好きです。サカナはすごく綺麗だから」
「私も好きです。パンダイルカとか、スナメリとかが特に」
「イルカですか、僕も好きです!可愛いですよね?」
「ね」
「……」
「……」
実際オサカナにそんなに詳しくもなく、すぐにまた、会話が途切れてしまったわけなのですが…
ふと見ると、タムラ君は、いまだ赤い顔をしているのでした。


