【第1話 ミーナの初恋】



 その男の子は自己紹介の通り、隣町にある芦野高校の制服を着ていました。

同じ歳の、男の子。

顔はスッキリとしているし、清潔感もあるし、背も高いし、

“割と素敵”な感じ。

だけど――


顔が真っ赤!

――…あぁ、私の返事を待っているのね?

そんな彼に見つめられて、私まで顔が熱くなっていく。



私はその思いがけないシチュエーションに、気が遠くなりそうなのを抑えつつ、思い切って聞いてみる。


「あの……、どこかで お会いしていましたっけ?」


さっきから脳みそを目一杯に回転させて、一生懸命記憶をたどっているのだけれど……


どうしても、思い出せないのです!