「ここは春を通り越して南国だな。本当に綺麗だ」 こうして笑える事が、当たり前じゃないと知っているから――…。 グスッと鼻をすする僕。 「……リョーヘイ君?」 ねぇ、エナさん。 やっぱり僕は君に、僕に足りないモノになんて、気付いて欲しくないよ。