「ゴメーン!たくさん待った?」

本当に申し訳なさそうに謝るエナさんは

「全然待ってないですよ!」

さりげなく被ったニットのベレー帽も似合っていて、今日もかなり綺麗だ。

「本当?よかった!」

今日は僕がエナさんを一人占め出来るなんて…


嬉しいけど、怖い。


アンビバレントなこの気持ち。



「この駅の向こう側にね、素敵なイタリアンのお店があるの。お昼はパスタとかどう?」


「パスタ?大好きっすよ!」


「じゃあ、決定〜っ」



僕がエナさんを追い掛けるような格好で、僕たちはお店に向かった。