シンジがそこに居るというのに、僕の頭の中は、エナさんへの返事の事で一杯だった。 「行きたいところか」 なんて、完全にリードされてる僕。 「リョーヘイ?」 そして、それを意外と心地良く感じる僕。 「うーむ」 「オーイ!コラーッ!」 ――…いけない、いけない! 今はどうしても、シンジの存在を忘れがちになる。 とうとう 「そっか。俺には言ってくれないのか」 と寂しく呟くシンジ。 どの道こんなにも大切な親友に、僕はいつまでも秘密に出来るワケはなかった。