ミーナの初恋

 

 自分の席に着いたまま、携帯を見ながら呆気に取られている僕に

「何、リョーヘイ?何かあったのか?」

と、シンジが笑いながら近付いて来て来た。そして空いていた前列の奴の椅子に、僕と向かい合って座った。


まぁ“何かあった”と言えば“あった”わけなんだけど

「イヤ、何でもないよ」

というのが精一杯。


ククク!


同時に、思わず笑いが込み上げて来る僕。


彼女に僕のナグサメなんて、要らないのかもしれないな!