そう言って笑う僕の顔を見て、シンジは不意に真顔になる。
「リョーヘイ。お前はまだダメそうか?」
シンジはこれまでの僕の恋愛事情を、タイムリーに知っていた。
僕が得意としている“笑顔”の裏側に、しっかりと居座るトラウマの存在も。
「うーん……どうなんだろなぁ。何かもう、俺にも分かんないや」
可笑しくもないのに笑って見せる僕は、新しい恋をしたいのか、したくないのかさえ分からなくて、
あれ以来心の何処かでブレーキを踏んでしまっているんだ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…