それにしても僕がメッセージカードを見てしまった事を、エナさんはあまり気にしていないようで、本当によかった。
こんなに“思い”の詰まったカードを、僕が捨てるワケにはいかないから、いつかエナさんに会えた時にちゃんと返さなければと、大切にしまった。
そして僕は、もう一度携帯を見た。
僕は未だ、別れた彼女からの連絡を待っている。
今日はバレンタインだから、もしかしたら――…なんて。
クリスマスも待っていた。
年末も、お正月も待っていた。
だけど
「一緒にいてもドキドキしないから」
と言って僕の元を去った彼女から、当然のように連絡は来なかった。


