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明日可の病気を知り、一度は逃げた僕と明日可が再び向き合えてから、数週間が過ぎていた。

季節は春から夏へと移動中、
今はカエルの鳴き声が耳障りな6月だ。

授業中、窓の外の雨を見つめながら僕はぼんやりと考える。


明日可の病気。

明日可の病気を知り、僕は僕なりにその病気について調べていた。
インターネットに病名を叩き込むだけで、膨大な数の情報が映し出される。

それらを1つ1つクリックし、明日可の病気についての知識を増やした。

…正直、見なければよかったと何度も思った。


明日可の病気。

主な症状は、めまい、動悸、発作、失神などで、初期は気付かないことが多い。
進行すると、夜中突然発作を起こしたり、体がむくんできたりする。
効果的な治療法はあまり無く、薬や人口心臓の使用がほとんど。

僕が、一番見なければよかったと思ったのは、次の数字だった。


『5年生存率、54パーセント・10年生存率、36パーセント』


…目の前が真っ暗になり、僕はとっさにインターネットとの接続を切った。