歪んだ表情のまま、明日可は続けた。
「抱くことのできない彼女なんて…そんなの…そんなの…っ」
…僕はたまらなくなって、明日可を抱き寄せた。
「…そんなこと言うなよ…。そんなこと、どうだっていいんだよ。お前が、そんなこと言うなよ…」
明日可の涙が僕の服を濡らす。
その涙から、痛いくらいの明日可の気持ちが伝わった。
「…一緒にいられれば、俺はそれでいいから…」
…月が照らす夜道の中で、明日可は声を上げて泣き出した。
コスモス畑に、明日可の嗚咽が響く。
僕はただ、彼女を力強く抱きしめていた。
…壊れないように、そして、二度と離れないように。