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残りのゴールデンウイークは、はっきり言ってかなり暇を持て余していた。

キャンプから帰った後、タケは家族旅行、カズは親父さんの手伝い、誠二は千歌ちゃんとデートでちっともかまってもらえない。


「彼女と友達とどっちが大事なんだよ」
『修ちゃんも瀬堂さんとデートすればいいじゃん』

ベッドの上に寝転がって、僕はダメ元で誠二に電話をかけていた。

案の定、誠二は千歌ちゃんとデート中。

「…できるもんならしてぇけど…」
『え?ごめん、周りうるさくて聞こえない!』

どうやら映画を見に行っているらしい。次回上映のアナウンスが微かに聞こえた。

「あ~…いいや。わりぃな、デート中に」

髪をくしゃっとしながら僕は言った。

『また埋め合わせするわ。ごめんな』

…電話を切り、僕は携帯電話をベッドの上に投げた。

仕方ないか。
普段、高校も違う誠二と千歌。

会える時は、できるだけ会ってたいんだろうな。

毎日明日可と会ってる僕だって、少しメールが通じないくらいで不安になるんだし。


そう。

キャンプから帰った次の日から、明日可と連絡がとれない。

デートに誘いたくても、誘えないのだ。

「…俺、何かしたっけ?」

何度考えても、何も思いつかない。
何度目かわからないため息を、僕はまた大きくついた。