……………


空には満天の星が輝いていた。

夜風が僕等をそっと撫でる。

微かに虫の音が聞こえたあの夜。



…僕等は、初めてのキスをした。



明日可の唇は暖かく、握りしめた手からお風呂上がりの体温が伝わった。

そっと唇を離すと、頬を染めた明日可は俯く。

少し濡れた髪も、桃色に染まった頬も、頬に影を落とすほどのまつげも、赤くなった耳も。


全てが愛おしくて、しょうがなかった。



「星、綺麗だろ」

僕が呟くと、

「…一生、忘れない」

明日可が呟く。






僕はその明日可の横顔を、


一生忘れないと、心に誓った。