「なぁ、修はどっちだよ」

そんなタケが突然話題をふってきた。
僕はめんどくさそうに答える。

「どっちでもいいよ」

正直興味がなかったし、芸能人でこれだけ白熱した争いを繰り広げられる二人をある意味尊敬していた。

「なんだよ修ちゃん、つれないなぁ」

誠二も一緒に絡んでくる。
思った通り。面倒なキャラが二倍だよ。

これ以上僕に火の粉がふりかかる前に、僕は荷物を片手に立ち上がった。

「俺そろそろ帰るわ。雨降りそうだし、俺傘忘れたし」

とりあえず理由をつけて、その場から離れることにする。

ただでさえご機嫌斜めの天気。
今、こいつらのテンションについていく気力は、はっきり言ってない。

「え~っ、帰んのかよ」
「じゃあ、明日までにどっちがタイプか考えてきてよ!」

ひらひらと手を振り、ダブルサウンドを浴びた僕は教室を後にした。