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その日の夜、僕は宿題もろくに手をつけずに必死にゴールデンウイークの計画を練っていた。

1日中明日可と一緒にいれる。

放課後のあのわずかな時間より、確実に長く。


帰りに本屋で買ったイベント情報誌をめくりながら、明日可と過ごす1日を想像していた。


にやけながらページを捲ろうとした瞬間、机の上で携帯が、バイブと同時に奇妙な形に旋回し始めた。

電話を表すライトが光る。
画面には、カズの名前が表示されていた。

僕はベッドの上から無理矢理手を伸ばし、通話ボタンを押す。

『あー修平?俺だけど』
「カズ?どした?」

話しながらも、情報誌からは目を離さない。
パラリとページを捲った。

『お前ゴールデンウイークだけどさ』
「うん」

あ、ここ行ってみたいかも。
明日可の好きそうな場所だ。


『うちのロッジに泊まりに行かねぇ?』