…ヒールの音が、パネルから遠ざかる。 錆び付いた鐘の音と、お礼を言う受付の女性の声が響いた。 …最後のパネル。 携帯の画面。 一輪のコスモスと、抜けるような青空。 それはメール送信画面の、一文とともに。 『この青空の下、生き続いてくれているであろう、君に捧ぐ。』 「いー天気っ」 受付の女性は立ち上がり、思い切り窓を開けた。 爽やかな秋風が舞い込んでくる。 受付に並ぶパンフレットが、ぱらりと捲れた。 『須川修平写真展』 《コスモス》 【fin,】