……………
錆び付いた鐘がカランと鳴った。
「ごゆっくりどうぞ」
受付の女性からパンフレットを受け取る、二人組の女性。
ヒールの音が、ギャラリーに響く。
その足音が、部屋の奥で止まった。
「凄い…」
…壁一面、色とりどりのコスモス。
所々に、小さなパネルが貼られている。
春の体育館
雨降りのげた箱
クッション付きの自転車
満天の星空
病院前の下り坂
夕焼けの階段下
冬のあぜ道
…コスモスをバックにひとつひとつ見ていきながら、彼女達の足は最後の一枚で止まった。
「これ…携帯の画面?」
「…みたいだね」
「…今、幸せだといいね」



