『じゃあその時は…』
「…大好きよ」
…秋風が海の匂いを運ぶ。
足元の砂をすくい上げる。
寄せては返す波打ち際。
抜けるような青空の下、僕は明日可を抱き寄せた。
僕等の恋は、生きるためにあるものだった。
辛くて苦しくて、嫌気がさすほど泣きたい時でも、
君を想えば生きてこれた。
そうして僕等は生きていき、
今、君を抱きしめている。
僕等の恋は、生きるためにあるものだった。
でも今は、そんなものどこにもない。
今あるものは、愛だった。
…生きているからこその、愛だった。
明日可の温もりを確かめながら、僕は小さく呟いた。
「…『愛してる』なんて言葉じゃ追いつかないけど…でも…」
僕は、君を…
「愛してる…」



