今伝えたいこと。
あの頃は幼くて、弱くて、勇気が足りなくて、言えなかったこと。
「…幸せにさせてよ。俺が、明日可を」
…幸せにしたい。
僕が僕の手で。
今なら、そう言える。
「…それに、明日可は約束、守ったよ」
揺れる明日可の瞳が僕を見つめる。
「…生きててくれた。『生きる』って約束、守ったじゃん。一番…一番、俺が守って欲しかった約束を」
明日可の頬に、一筋の涙が光った。
次から次へと、とめどなく溢れる。
握る左手に力が入った。
他の約束なんてどうでもよかった。
例え今、明日可の気持ちが変わっていたとしても…
今君に会えた。
それだけでよかった。
それが僕の、願いだった。
「なぁ明日可。…一つ、聞いていい?」
左手で明日可の涙をすくい、言った。
「今でも…俺のこと好き?」
『明日可帰ってきたら、俺多分女々しく聞くよ』
『何を?』
『俺のこと、まだ好き?とか』
『あははっ、女々しい~っ』



