「…うん。俺も、それがいいと思う」
秋桜は僕の方を向き、軽く笑った。
「…連絡は?」
「相変わらずだよ」
僕たちが会うと、必ずする会話。
「…そっか。個展のことは、教えたの?」
「うん、一応エマの所にハガキは出した。明日可の所にはエマが送ってくれてると思う」
坂を下りながら僕は言う。
「ここまで待ったんだ、もういくらでも待つよ。待つっていうか…想い続けるっていうのかな、こういうのは」
ふっと秋桜も笑い、言った。
「しつこいからね、修平は」
「なんだよそれ」
ははっと笑いながら秋桜の頭を小突く。
色々あったが、秋桜とは今、こうして笑いあえる。
明日可とはどうだろう。
もしまた出会うことができて、こうして2人肩を並べることがあったら、
また笑いあうことができるだろうか。
…僕にはそれは、わからなかった。
…「…じゃあここで。ごめんね、駅まで送れなくて。今弟来てるから」
坂の下の分かれ道で、僕たちは別れることになった。



