純粋で、無垢で、不完全で…
それでいて愛しい、あの感情。
「…うん。きっと、あの頃みたい恋は、一生で一度だよな。あんな…それが全てみたいな、恋」
タケが呟く。
「それでもやっぱ大人になってさ、あの頃と同じ様にはいかないけど…やっぱり恋はするんだよな。なんだかんだ…時が経てば、あの頃は過去になるんだし…」
…みんなの言葉が詰まる。
脳裏によぎるのは、きっと同じ2人。
「…過去…か」
カズが呟いた。
今を生きるためには、あの頃を過去にしなければいけないのだろうか。
過去を『今』だとは、やっぱり言えないのだろうか…。
「…わかんねぇもんだよな。大人になっても、やっぱり…。人を好きになると、いくつになっても不器用になるもんだよ。過去とか今とか未来とか…上手く、扱えなくなるんだよな」
カズの言葉に、周りは軽く頷く。
いくつになっても、恋は人を不器用にさせる。
感覚を鈍らせる。
…あの頃と、同じ様に。



