今僕は、明日可が好きだ。
過去なんかじゃなく、『今』。
例え今2人一緒にいることができなくても、
僕は君が、好きだ。
…「…じゃあ、色々ありがとうございました。」
エマの出してくれたクッキーとパウンドケーキを食べ終えて、僕は席を立った。
「いきなり来ちゃって…ご迷惑をおかけしました」
「全然迷惑なんかじゃないわよ。私も、シュウに会えて嬉しいわ」
僕をギュッと抱きしめて、エマは言った。
お互いの頬に軽くキスをし、僕は玄関に足を向けた。
「それじゃ…」
「シュウ」
踏み出そうとしていた足を、エマの言葉が留まらせた。
「…シュウに、見せておきたいものがあるの」
…エマが僕を連れて行ったのは、家の中庭だった。
日当たりのいい小さな中庭。
その光景を見た時、僕はどんな顔をしていただろう。
あの日みたいに、間抜けな顔をしていたかな。
「…これ…」



