マスターが僕たちの席にコーヒーとカフェオレを運んできた。
僕が事前に頼んでおいたものだ。

「ミキまだブラック飲めないんだろうと思ってさ」

マスターに軽く会釈しながら言った。

「失礼ね、もう飲めるよ!…あえて飲もうとは思わないけどさ」

ぷうっとふくれっ面をして、ミキはカフェオレを引き寄せた。その顔も昔と変わっていない。
僕は少し安心した。

「なんかミキ、大人っぽくなったな」
「そりゃそうよ。これでももう21ですからね。須川君はあんま変わっていないね」

ひひっと笑いながらミキは言った。

「うるせぇよ、ミキだって雰囲気は大人でも背はそのまんまじゃんか」
「ひっどー!どうせチビですよっ!」

僕たちは目を合わせ、ふっと笑った。

「…どれくらいぶり?三年くらい?」

コーヒーを口に運び尋ねる。

「うん、それくらいかな。…須川君から連絡きた時はびっくりしたよ」

ミキもカフェオレを一口飲んで言った。
2人ともカップを置き、店内を見渡す。

「…懐かしいね、ここ」
「ああ。あの頃はなんかめちゃくちゃ高いイメージだったよな」

ははっと笑い言った。

…ミキに明日可の病気について聞いた場所だった。