心の中ではそう思いながらも、口だけは否定をする。

「関係ねぇよ!ただ聞いただけで…」
「またまたぁ。俺らにまで隠す…」

次の瞬間、鈍い音と衝撃が、三人の頭上に響いた。
三人同じように頭を抑えて、顔をしかめる。

「いってぇ…」
「お前ら、二年になってもちっとも変わらないな。少しは黙って話を聞け!」

拳骨を食らわしたのは、一年の時からの担任、河内先生だった。
通称ヒロミ。何故って、あの有名人、郷ひろみににてるから。

「ひでぇよヒロミ。絶対こぶできてる」

タケが頭を押さえながらグチっっていた。周りの生徒の視線が集まる。

ヤバい。

「もうお前ら前いけ前」
「えぇ~っ!」

ヒロミに無理やり列の前へ行かされることになった。
二組と三組の間を通る。

ヤバい。
ヤバい。
ヤバい。




彼女の横を


通る。