テレビの中に映る、もう一人の僕。
彼が僕に向かって言う。
「お前は卑怯だ」
…そうだ。僕は卑怯だ。
僕と秋桜は、お互いのことを殆ど知らない。
表面上のことは知っていても、深いことは何も話していない。
秋桜の抱えていることも知らないし、明日可のことも、話していない。
…その関係を、壊したくなかったんだ。
何も考えなくてもいい、居心地のいい空間を。
だから、気付かないふりをしていた。
秋桜の気持ちに。
「…最低だな、俺」
天井を仰ぎ見て呟く。
不安定な僕たちの関係。
何かが外れれば、それは脆くも崩れ去る。
僕たちはどこに向かうのだろう。
気持ちはどこに、行き着くのだろう。



