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家に戻り、ペットボトルの水を一気に飲んだ。
暗いキッチンに響くのは、僕の喉を通る水の音だけ。
口をペットボトルから離し、冷蔵庫のドアに手をかける。
冷静になった頭で、僕は考えていた。
…秋桜の、僕に対する気持ち。
正直に言うと、全く気付いていないわけではなかった。
出会った頃の秋桜と今の秋桜とでは少しだけ違う。
全てにおいて投げやりで、相手を刺す様な視線をしていた秋桜。
いつの間にか、そんな秋桜はいなくなっていた。
よく笑うようになった。
今日あったことを話すようになった。
たわいもない話を、ごく自然にするようになった。
…僕を見る視線が、優しくなった。
でも僕は、あえてそれには気付かないふりをしてきた。
…冷蔵庫のドアを閉め、寝静まったリビングに足を進める。
ソファーにどっと座り込み、何もついていないテレビの画面を見つめた。



