コスモス



ビールを置いた秋桜はテーブルを挟んで僕の前に座る。

ビールに手を伸ばしたが、僕はそれを取ることはせずに座り直した。
そんな僕に気づき、秋桜もビールを置く。

「…どしたの?」

不安気に聞く秋桜に、僕は口を開いた。


「…何隠してんの?」


唐突な僕の問いに秋桜は明らかに動揺する。

「え?何…」
「最近、なんか変。俺にまで隠し通せると思った?」

…沈黙が続く。

冷房の入っていない部屋は蒸し暑さを増している。
冷房を入れようとしたその瞬間に、僕は気付いた。


秋桜の服装。

…長袖の、カーディガン。



僕を避ける彼女の行動が、瞬時に今の状況とリンクした。
冷房のリモコンに伸ばしかけた手を秋桜の腕へと伸ばす。
秋桜は避けようとしたが、とっさのことで避けきれずに僕に手を奪われた。




…思った通りだった。

眉間にしわをよせ、視線をそらす秋桜。

軽くため息をつき、僕は口を開いた。


「…なんでだよ…」