……………
秋桜の部屋につく。
鍵を開けようとしたが、感触から開いていることに気付いた。
ため息をつき、ドアノブをひねる。
部屋に入ると、ベッドにもたれかかった秋桜がいた。
肩のゆれから眠っていることに気付く。
肩を落とし、僕は秋桜をゆすった。
「おい、こんなとこで寝るなよ。寝るならベッド行けって」
んんっと体を捻り、秋桜はうっすらと目を開けた。
「…修平…来てたんだ」
寝起きのかすれた声で呟く。
「いいから、ベッド行けって。」
腕をつかんで起こそうとしたが、秋桜は自ら立ち上がった。
「いい。目覚めたし」
ふらつく足取りで冷蔵庫へ向かった。
「ビールでいい?」
「…ああ」
冷蔵庫を開ける秋桜の後ろ姿を見ながら、僕は思った。
…秋桜は最近、僕を避けている。
正確に言うと、僕に何かを隠している。
別にそれが嫌だというわけではないが、一抹の不安が僕の胸にはあった。
城田が言った言葉が胸をよぎる。
…不安定なんだ。
僕もそうだが、
秋桜も。