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鈍い痛みに目を開ける。
ここがどこだかわからない。
ただ、体を襲う気だるさと頭を襲う頭痛だけがリアルだった。
太陽のまぶしさに目を凝らし、それが入り込む窓へと目を向けた。
「起きた?もう昼だけど。」
…床に散らばったビールの空き缶。
微かに鼻につく煙草のにおい。
長い足を投げ出して煙草をふかす彼女がそこにはいた。
飛び起きた僕は、まず自分が服をまとっていることに安心した。
そんな僕を見てふっと笑った彼女は、立ち上がり冷蔵庫から水を取り出す。
寝ぼけ眼の僕に向かってペットボトルを投げて、「二日酔いでしょ」と言った。
冷たい水を喉に流し込み、僕はようやく頭がはっきりとしてきた。
…昨日、僕は狂った様にビールを飲んだ。
忘れたいけど忘れられない、忘れたくない記憶を少しでも遠ざけるために。
ペットボトルを床に置き一息つく僕に、彼女は声をかけた。
その一言に、僕は思わずペットボトルを倒してしまった。



