僕の視線に気づいた彼女は、「あぁ」と呟き袖口を引っ張った。
さして気にもしていない様な彼女の表情に、逆に僕は違和感を覚えた。
「…よく、あんなことしてんの?」
ビールのふたをカチッと鳴らし、僕は呟く。
一瞬動きを止めた彼女は、僕に向かって言った。
「あんなことって、どんなこと?」
彼女の質問は的確だった。
確かに僕は、彼女の『あんなこと』にいくつか遭遇している。
少し考え、僕は言った。
「…自分の体を、粗末にするようなこと」
どちらにも当てはまる様な答え。
一瞬沈黙が流れたが、それは彼女の笑い声によってかき消された。
「ははっ、あははっ!粗末ねっ!言うなぁ~」
一通り笑った後、彼女は一息ついて言った。
「言ったでしょ?別に、意味なんてない。リスカもセックスも、簡単にできる快楽でしょ。それを求めてるだけ。やろうと思えば、誰だってできる行為じゃない」



