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カズと別れた後、僕はしばらく街をぶらぶらした。まっすぐ家に帰る気には到底なれなかった。
雨上がりの街を車のヘッドライトが照らす。
通り過ぎる車が作る水しぶきは、ギリギリのところで僕にはかからない。
雨上がりの街のにおいとこの夜の雰囲気が、僕は好きだった。
いつもと変わらない街の空気。
まさかそんな中で思わぬ再会をするなんてこと、誰が想像できただろう。
…時計を見た。
ちょうど針が一時を指したところだった。
軽くため息をつく。
「そろそろ帰るか…」
つま先を帰路に向けた、まさにそのときだった。
「2人もいるなんて聞いてないんだけど」
…聞き覚えのある声が前から聞こえた。
思わず目線を上げる。
華美なネオンの光るホテル街。
いかにもなオヤジの2人組と、ショートパンツにブーツを履いたモデルの様な女性。
…保健室の、彼女だった。



