…ふいに足下に堅い物を感じた。
それは僕の足により、崖下へと落ちていく。
カンカンという音とともに、それは漆黒の闇へと…。
…かしゃん
…多分石だと思うが、そんなことはどうでもよかった。
フラッシュバックの様に、記憶が蘇る。
「あ…」
僕の小さな声に、明日可が反応した。
明日可の視線が僕に注がれる。
「いや…」
僕は、ゆっくりと口を開いた。
「朝…さ、母さんと喧嘩して…植木鉢…母さんの大事な…。割っちゃったんだなって…」
そうだ。
僕はこの足で、植木鉢を蹴り倒したんだ。
母さんの、植木鉢を…。
『ほら、綺麗に咲いたでしょ』
『…その花、でかすぎない?』
『そお?栄養行き渡りすぎちゃったのかしら』
『あははっ、息子より手間かけて世話するからだよ』



