コスモス


木で出来た柵は、簡単に乗り越えることができた。
先に行った僕は明日可を引っ張り上げ、柵を越えさせる。

…視界が開けた。

柵の向こうには、さっきよりもはっきりと街の灯火が見える。


…広かった。
ただひたすら、広かった。

足元を見る。
数メートル先にはなだらかな崖がある。
その下は、木の茂る森が広がる。

飛び込めば、きっと死ぬだろう。


…死ぬ。


僕等は本当に、こんな所まで来てしまった。

どこで、捻れたのだろう。
幸せだった日々は、確かに存在してたのに。

喧嘩もした。
仲直りもした。
手も繋いだ。
キスもした。

…僕等はもう二度と、あのコスモス畑を通ることはないのだ。

2人乗りをして、あの、僕等の自転車で。


それでも僕等は、永遠を選ぶのか。